経済

やはり国民多数の要求は経済生活の改善であり、経済生活の左翼的改善が目指されるべきである。再分配、福祉拡充は必須だが、それだけでは経済政策として弱い。何か連合政府の一致点となる左翼的経済発展のスローガン的な政策が必要だ。忘れちゃならないのは、レーニンが革命を成功させたのは、社会主義計画経済のほうが資本主義よりも合理的かつ平等、しかも効率的に発展するという期待があったからなのだ。唯物論的には経済が主要問題であり、憲法問題などは中心課題としては弱い。「共産党に任せれば経済はうまくいく」という国民の信頼が得られないと伸びない。 ソ連経済は破綻のイメージがあるが、実は、ヨーロッパで最も遅れていたいわば後進国だったロシア経済が、ソ連時代には50年もかからずに世界トップを争うまでに成長したのだから、計画経済は優位性もあるのだ。ソ連経済の問題は、寧ろ人権を無視した暴力的な政策、収容所の労働力の利用などである。連合政府によって共産党が民主革命を成功させても、かなり長期にわたって資本主義は存続すると思われる。さしあたり共産党が目指しているのは、資本主義の内部変革。内部変革の中で、国民多数の利益になる経済発展を可能にする政策を進めねばならない。もちろん、自民党に任せておけば経済がうまくいく、ということはない。この20年の日本経済を見れば明らか。自民党が進めている経済は、ごく僅かな特権階級が利益を飛躍的に拡大し、圧倒的な多数が貧しくなる政策。それには成功しているのだ。言うまでもなく、経済の発展というものは、国民の多数が豊かになるのでなければ意味がない。極めて少数の資産家が極めて豊かになって、他は貧しくなるような経済成長を、発展とは言わない。だが、自民党が目指しているのはそういう経済成長だから、いつまでたっても多数者は豊かにならない。